まず、富山は保守自民王国ということが大原則。以前の衆議院中選挙区制時代に定数3全てを自民党で独占したこともあるところです。3を取れなくても最低2はとってきました。
そして、この富山3区は中選挙区の富山2区をそのまま引き継いだ選挙区です。小選挙区比例代表並立制になったため自民党の三人の議員のうち選挙区で戦えるのは一人だけになり、あとの二人は比例に回った経緯があります。
このとき選挙区に残ったのは綿貫民輔、比例に回ったのは萩山教嚴、橘康太郎です。得票数、知名度のどれを取っても綿貫民輔が優勢だったためこの選択に文句を付けられる人はいなかったのでしょう。
それ以降の選挙では恐らく地元の人の関心は綿貫当選ではなく、日本で当確が一番早く出るかだけになったと思われます。開票率0%で当確の出る数少ない選挙区のようですしね。
基本的な地盤としては南部の綿貫、北部の萩山といった感じが想定されます。綿貫の地元は南部の旧井波町、現在の南砺市、萩山の地元は北部の氷見市。富山県は北部ほど海側で都市化し、南部ほど山になり山村の地域です。
よって、選挙区での当選が欲しい地元の萩山派の北部の人達にとっては千載一遇のチャンスと捕らえることができます。なぜなら、萩山は73歳で小泉首相が決めた73歳以上は比例代表名簿に名前は記載しないという年齢になってしまっており、選挙区以外に出馬をすることができなかったから。それでもやはり全国的知名度を誇る綿貫に勝つのは至難の業と言われています。唯一打開する方法としてはこれまで比例代表で当選してきた橘康太郎を自民党が公認し、比例名簿に載せるかどうかが焦点と言われています。現時点では自民党は橘を公認せず、つまり実質引退を勧告すると見られています。橘の息子は富山3区の大票田での高岡市長。親父が公認してくれれば息子も自民党に恩義を感じて自民党の萩山支援に回る可能性があります。しかしながら、その可能性も現実問題極めて低いとの見方が有力です。
ところで民主党や亀井静香元政調会長の言う民主党の漁夫の利はどうでしょうか。直近2度の選挙結果を見ても分かるように仮に二分されても(トップの得票数を2で割っても)次点の候補者より得票数が多いことが分かります。さらにこれまでは選挙をしなくても綿貫が勝つのを分かっている大多数の保守支持者が投票していないことも考えればさらに上積みされるでしょう。
つまり、民主党の漁夫の利はまずないと考えるのが妥当のようです。特に今回のように民主党が蚊帳の外のような状態では。
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参考資料
◇富山3区(高岡市、新湊市、氷見市、砺波市、小矢部市、射水郡、東砺波郡、西砺波郡)
第43回衆議院議員選挙結果(2003年11月9日)
綿貫民輔 159316 自前
窪田正人 51663 社新
坂本洋史 17756 共新
綿貫得票率 69.6%
第42回衆議院議員選挙結果(2000年6月25日)
綿貫民輔 150200 自前
野畑圭造 46478 民新
湊谷道夫 46394 社新
上田 弘 13610 共新
綿貫得票率 58.5%
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